■ 13_02. LANの種類 ■

 

  LANには、有線LAN と 無線LAN が有ります。

  事業所では有線LANが主流ですが、家庭や公共スペースでは無線LANの利用が増えています。

 

 

■ 有線LAN

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  有線LANは、機器同士をLANケーブルでつないで通信します。

  宅内の有線LANは、特別な設定もほとんど必要なく、簡単に構築できます。

 

  <有線LANの特徴>

    ☆LANケーブルを接続するだけで簡単に利用できます。

    ☆ほとんどのネットワーク機器やパソコンに、標準で装備されています。

    ☆比較的安定した通信が行えます。

    ★LANケーブルの引き回しが必要です。

 

 

■ 無線LAN

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  無線LANは、無線電波で通信するLANですが、スマホやタブレットの普及で急速に進化しています。

 

  <無線LANの特徴>

    ☆ケーブルの引き回しが不要です。

    ★ノイズや電波干渉によって通信が不安定になることがあります。

    △セキュリティの設定を正しく行う必要があります(現在は自動設定できる機器が多いです)

 

 

■ 有線LANの接続形態(トポロジー)

 

  ネットワーク機器 と ネットワーク配線 の関係を、トポロジといいます。

  LANのトポロジの主流は、スター型です。

 

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■ 有線LAN接続に必要なもの

 

  有線LANを組む場合に必要な機材は、LANケーブル、LANカード、HUBの3種類です。

 

 

■ LANケーブル

 

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  LANケーブルで、パソコン、プリンター、HUBなどを繋ぎます。

  HUBとHUB、パソコンとパソコン、パソコンとネットワークプリンタも、LANケーブルで繋ぎます。

  今どきのプリンターは、殆ど無線LANに対応していて、無線LAN対応の表示すら省かれています。

  1台のパソコンならUSBケーブルでプリンターを繋ぐのが簡単で一般的ですが、

  複数のパソコンでプリンタを共有する場合、LANケーブルで繋ぐほうが簡単で便利です。

 

 

■ LANカード( NIC、LANボード、、、呼び名が違うだけで同じものです)

 

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  今や、LANカード(NIC)の内蔵されていないパソコンは(自作機を除き)探すのが難しいです。

  LAN接続やインターネット接続が当たり前の時代なので LANカードは最低1つ付いています。

  パソコンでLANやインターネットに接続しているときは、LANカード(NIC)が働いています。

 

 

■ HUB( ハブ )

 

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  パソコンやプリンターを LANケーブルで繋ぎ、データのやりとりを中継する装置です。

  現在は殆どがスイッチングHUBで、HUB+スイッチ(ポート切り替え)の役割を備えています。

  昨今の家庭用ブロードバンド・ルータはスイッチングHUBの役割も果たします。

  HUBにパソコンやプリンタをLANケーブルで繋げば、LANの配線が終わります。

 

 

■ 有線LANの規格

 

  LANを組む場合、Ethernet ( イーサネット )という規格があるので

  メーカーや機種を気にせず、パソコン同士やパソコンとプリンタを繋いで利用できます。

 

  ■ イーサネットは、IEEE802.3で規格されています。

   ・ 厳密にはイサーネット→IEEE802.3が規格化されました。

   ・ IEEE(米国電気電子技術者協会)はLANの標準化を推進する組織です

 

  ■ イーサネットは、OSI参照モデルのデータリンク層、物理層で、詳細が規定されています。

   ・ アクセス制御方式: CSMA/CD (別のところで詳しく説明しています)

   ・ データ伝送方式:  ベースバンド (別のところで詳しく説明しています)

   ・ ケーブルの種類、コネクタの種類 など規定 (別のところで詳しく説明しています)

 

  ■ 世界中のIT機器がイーサネットに対応し イーサネットは互換性を保ちつつ進化しています。

 

 

■ イーサネット規格表記の意味

 

  ネットワーク機器の仕様書に 100Base、1GBase(1000Base)等と記載があると思いますが、

  これは、その機器に内臓されたLANカード(NIC)が対応可能なイーサネットの規格を表しています。

  表記の意味は、伝送速度、伝送方式、ケーブルの種類/最大延長距離 です。

 

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  伝送速度は10Mbps、100Mbps、1G(1000M)bps 、10Gbps、、、と 種類があります。

  ほとんどのLANカードは下位互換性があり、100Mbps のLANカードなら10/100Mbps に対応し、

  1Gbps のLANカードなら10/100/1000Mbpsに対応します。

 

  ベースバンドとは、周波数変換を行わず、変調前の信号のまま送受信する方式のことです。

  ベースバンドでは、1本の回線で1つのチャンネルを通信し、複数同時のデータ通信はできません。

 

 

■ イーサネットの規格と速度

 

  イーサネットには複数の規格があり、規格ごとに最大通信速度が決まっています。

 

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  10BASE-T/100BASE-TXについては、現在ほぼ全ての機器がサポートしているはずです。

  ギガビットイーサは、未だサポートしていない製品もあるので、確認が必要です。

 

 

■ Auto-Negotiation( オートネゴシエーション )

 

  イーサネットでは、接続した機器が共通してサポートしている最速の規格が自動的に選択されます。

  一方だけが高速な規格をサポートしていても、その規格での通信は行われません。

 

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  双方がサポートしている規格の中から、最も高速な規格が自動選択されます